240505sun

27℃ 快晴

9時ごろ起床。

青ぶどうと、半玉100円のメロンを朝食に出したらTはひどく喜んでいた。

昨日の午前中、家の天井裏でバルサンを焚こうとしたところ埃で真っ黒の謎雑誌が頭上から落ちてきた。昔の住民が家族の目を恐れて捨てる機を逸したのだろう。その謎雑誌についてTに話したところ、6日に開いてみようという話になった。劇画ジャンプという名の……検索した限りではエロ本?らしい。ネットではあまり語られていないようだ。ネットの海にはアダルト漫画マイスターがどこかにいそうなものなのに。検索のUIだかがよくないのだろうか。「棚からぼた餅」ならぬ「天井裏から40年前の劇画エロ本」……人生何があるかわかったものではない。自分はエロ本というものを開いたことが生まれてこのかた一度もないので、気分は宇宙猫である。友達とわあわあ騒ぎながらエロ本を覗き見る中学生になりたかった。なりたかったか?

身支度して10時ごろ出発。

書き始める時に、「起きたことの全てとは言わないまでも、ほとんどのことを書き抜くことができるだろうか」というプレッシャーを感じる一日があって、書き出したこの時点でもう気が重い。

本日の目的は沼を満喫することだ。沼とはなんらかの比喩ではなく沼である。ボンゴレビアンコ沼。浅い水底にナガエツルノゲイトウやオオバナミズキンバイなどの水生植物が繁茂し、無敵の体躯を誇るコブハクチョウが生息する(周囲環境を糞で汚すため嫌われ者なのだそうだ)。一見すると湖と見分けがつきにくい、そういう沼である。

電車で移動し駅に着いたら、近くのレンタサイクルで自転車を借りる。借りて30秒後に2人のポリスに声をかけられる。なんらかの違反ではなく全員に注意喚起をしているのだそうだ。ヘルメット着用云々、自転車スマホ厳禁云々。挨拶して沼に向かう。

入り口すぐの公園には休日だけあって子供たちで賑わっていた。Tは初めての沼に感心したふうで写真を一枚撮る。そのまま西に5分ほど漕ぐ。雲ひとつない快晴。あたりの景色を楽しみながらサイクリング。そのうち田んぼで寛いでいるコブハクチョウに目を止める。そばに自転車を停め、しばし接近を試みることに。いくら近づいていっても人間を警戒するそぶりを見せず動かない。あたりには犬の糞に近いサイズの糞が散乱している。田んぼの泥濘にべったり寝そべったままクローバーをガツガツ一心に貪っている。ランチタイムなのである。Tはクローバーを3本ほど手で摘んで餌付けを3回行う。首が勢いよくびゃっと伸びてくるので迫力がある。その様子を写真に収める。

しばらくして、我々は満足したため再び自転車に乗る。10分ほど漕いだところで、Tの計画とは全く反対の方向に来ていたことに本人が気付き、青ざめる。このミスで、繰り返される頓挫を思い出したこちらが苛立つ(前回→定休日確認忘れ、前々回→到着してから貸出品が無いことが発覚、前々前回→不発)。タイムスケジュールや店の開店時刻はともかく、地理についてはノーチェックだった。まさか真逆の方角へひた走っていたとは。Iphoneを携えてチェックしていながら地図を読み間違えるなんてことがあるだろうか?!二人で遠出する場合は、目的に対するモチベーションが高い方がサーチし計画を立て、ナビをするという暗黙の了解がある。Tに意思決定を委ねた場合に、今日みたいなミスが体感2割の確率で起こる。自分がそのフォローを(事前にであれ当日であれ)する必要が出る。逆にこちらが(周囲の騒音や持ち物の紛失で)困った場合は寛大にフォローしてもらっているのだから相手に対して温かい対応をすべきだと思いながらも、しかし、あまりにもミスの頻度が高すぎる!頼むから同じミスは繰り返さないでくれよと思ってしまう!何度も繰り返された場合には、自分は相手をフォローする心構えやバッファが失われる。1、2回なら気にしない。だが何度も繰り返し自分のミスで凹んでいる人をフォローし雰囲気をフラットにし続けるというのは苦手なのだと思う。度量が狭い。

自分は優秀でありたいとか脳みそのどっかで思い込んでいるとこういう時に結構つらいから(つまり、無理に冷静を装わず感情的に振る舞っても別にいいじゃないかと思う)、仕事っぽい尺度からはかなり距離を置いた方がいい。休日の予定までダブルチェックを敢行するとか正直めんどくさいし、新たなタイプのミスが起こるたびに新たなリカバリ方法を考えるのもめんどくさい。

自分は行き当たりばったりで休日を楽しむということがどうしてもできないのだ。

 

で、来た道を自転車で引き返して、少ししたらそうしたことがだんだんどうでもよくなってくるほどには景色が良かった。沼沿いに、住宅街を抜けてひとけのない田園風景へ。

 

12時半ごろ釣りセンターに着くと、釣りをするための長蛇の列ができていた。沼喫茶も45分待ちだ。しかしこれらは名前だけリストに書き連ねて近場を散歩しているうちに自分たちの順番が回ってきていたので許容範囲だった。昼食に、沼喫茶にてホットドッグとフライドポテト。そしてほうれん草のパフェを分け合って食べた。

その後釣り。1匹も釣れなかったがTは満足していた。Tが満足しているなら良し。次回は釣りたいよねと言った。我々は毎回「次回は釣りたいよね」と言い合って、釣り場から引き上げる。自分はあんまり釣りに興味がない。Tは魚のいる水辺が好きなだけで、あんまり釣果に頓着しない。2人してぼんやりして帰る。

その後しばし、整備されたサイクリングロードにてサイクリングを満喫。

道の駅が北欧を想起させるモダニズム建築だった。16時ごろレンタサイクルを別の駐輪場に返却し、紙コップでコーヒーを飲み、温泉施設へ赴く。

岩盤浴が空いているのではないかと咄嗟に思いつき、急遽岩盤浴に浸かることにした。GW真っ只中の凄まじい混雑を見下ろし、岩盤浴コーナーで寛いだ。

 

18時半、諸々のタイムロスの結果、目的の鰻屋の閉店時刻から逆算したラストオーダーの時刻めがけて道を急いだ。沼にかかる橋を渡る道すがら、ゆっくりと日が暮れていった。

ラストオーダーには間に合った。特上の鰻重と海老の唐揚げ、瓶ビールを頼む。漬物が美味しい。うなぎももちろん美味しい。2年ぶりに2人でうなぎを食べたよねと話す。一昨年は山椒の味比べが面白いSの店で食べたのだ。普段の豪勢な外食(焼き肉や寿司など)においてはTが多めに出したり奢ってくれるので、今日の会計はこちらが持つと言ったが、結局少し出してくれた。3:5くらい。ほとんど割り勘である。Tは長期出張が増えてから豪勢な食事を奢ってくれることが多くなった。以前はほぼ対等な負担だったのだが。

 

21時過ぎに帰宅して、梨のクラフトビールを飲みながらブログを2日分投稿した。

自分だけ先に就寝した。Tは遅くまで、こちらが勧めた漫画「プラネテス」を読んでいたようだった。