240425thur 夢見る幽霊

23℃ 曇

7時半起床。

マウスと化している数時間のあいだ、恋人と寝たいなと思ってえんえん具体的な回想に耽った。これでこの回想が、自分の脳みそにオキシトシンを流すためだけに恣意的に作られた偽りの過去(実際には存在しない)だったとしたら自分はみじめだなと思った。でもそれでも仕方がないような気がした。もうここ数年の出来事の全ては、自分の脳みそがそれまでの苦痛に耐えかねて生み出した脳内妄想であっても仕方がないのだ。現実の全てに現実味がない。とても陳腐な発想なのだろうが、本当の自分は閉鎖病棟の中で地上のあらゆる幸福を夢見ているのだという方がリアリティがある。いつかこの夢から醒めるのでなければ辻褄が合わない。「生存を肯定しろ」という外圧を感じる。いやだ。肯定したくない。いろいろなものをきっちり憎んだまま死んでいきたい。そうしてサラサラと風に揺れる柳の木の幽霊になりたい。

 

自分は性欲と愛情をかなり切り離す性質だが、自分がそういう人間だったということをここ数年は意識することがなかった。(中略)

実のところ、日々、周りの人間の爪の長さ/短さを見て何かしらは察しているのだが、自分はもう分別のあるいい大人なので、そういうのは気づいていないことになっている(学生時代からのクセだ。バーカウンターに入ると、グラスを手にする客の爪の長さがまず目につくのである。)。

 

マウスは帰りにRに立ち寄りギャラリーを5軒ほど冷やかした。

家に着くとどっと疲れてしまい、近所の中華で天津飯を食らいながら紹興酒を煽った。